私たちの暮らしの中にはいつも植物があります。道端の草花や街路樹、部屋に飾られた一輪の花、その存在が私たちの心や体にどのような影響を与えているのかを、深く考える機会は多くありません。
ステファノ・マングーソとアレッサンッドラ・ウィオラによる「植物は<知性>を持っている」の中では、植物が人間の心身に与える影響について、とても興味深い研究結果が紹介されています。
例えば、窓から豊かな緑が見える病室で過ごす入院患者は、建物や空き地しか見えない病室の患者に比べ必要とする鎮痛剤の量が少なく、退院までの期間も短かったことが報告され、また、窓から緑が見える環境で学習していた学生は建物しか見えない環境の学生より、試験で明らかに良い結果を出していました。
さらに街路樹の多い道路では交通事故が少なく、緑の豊かな地域では自殺や暴力犯罪が少ないという調査結果も示されています。
これらの事例は、植物や緑が単なる景観ではなく人の心や行動、さらには身体の回復力にまで影響を及ぼしていることを示しています。
現在私たちは、間違いなく大きな「時代の転換期」の真っただ中にいます。
パンデミックの経験や、急速なAIの進化によるデジタル世界の進行は、これからの社会の構造や人間の生き方を変えていきます。このような時だからこそ、植物セラピーが、新たな時代を生き抜くための小さな一助となることを確信しています。
植物セラピー協会 主宰 小原 みどり